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家財道具の処分

ご自分の身にもしものことがあった場合、居住されているご自宅や施設等の家財道具はどうするべきか、考えてみたことはあるでしょうか。

生前の段階から日々の暮らしのなかで使用しているものや思い出の詰まった品などを整理・処分することは、気持ち的になかなか難しいかもしれません。しかしながらこれらについてどうするべきか決定しておかないと、残されたご家族やご親族、お世話になった職員などに多大な迷惑をかけることになります

身寄りのいない方やいても遠方に住んでいる、関係が良好でないので頼めない方は最悪の場合、そのまま放置されてしまうことも考えられるでしょう。

また、お住まいが賃貸や施設等の場合は、お亡くなりになると同時に家財道具の整理を行い、退去手続きを済ませる必要があります。
短期間で家財道具の整理や処分を行うのはかなりの負担を強いることになるため、あらかじめご自分でどうして欲しいのかを決定し、準備を進めておくことが重要です。

家財の処分における3つの注意点

ここでは生前に行う準備として、家財道具の処分における注意点を3つご説明させていただきます。

(1)「死後事務委任契約」を結ぶ

死後に生じる各種事務手続きを第三者に代行してもらうために結ぶ契約を、「死後事務委任契約」といいます。
この契約においてお願いしたい内容や任せたい方を明確にしておけば、ご自分が亡くなった際にはその方に家財道具の処分に関する手続き等を進めてもらうことが可能です。

(2)代行業者を利用する際は内容や報酬等を確認する

家財道具の処分を代行業者に依頼する場合には、内容や報酬等についてきちんと確認しておく必要があります。
介護施設1部屋分の家財処分の相場は8~10万円程度が一般的ですが、家財の種類によっては依頼費用とは別に廃棄するための料金が生じます。それゆえ、家財道具の処分費用は見積り額よりも多く準備しておくと良いでしょう。

また、死後事務委任契約において受任者となった方は、見積りや処分を行う際に立ち会う必要があるため注意が必要です。

(3)死後事務委任契約の受任者と「財産管理契約」を結ぶ

代行業者に依頼した場合、準備した処分費用を受任者が使用できるようにしなくてはなりません。
そのために死後事務委任契約の受任者と結んでおくべきなのが「財産管理契約」であり、この契約を結ぶことにより受任者が代行業者に対して処分費用を支払えるようになります

トラブルになりやすい家財の種類とは

家財道具の処分を請け負っている代行業者のなかには、残念ながら悪質な業者も存在します。そのような業者に誤って依頼してしまうと、さまざまな理由をつけて高額な費用を請求される恐れがあるため注意が必要です。

また、家財の種類によっては廃棄するための料金が別途生じますが、本来よりも高い額で請求されるケースも少なくありません。とくに家電はリサイクル料金がかかるといわれ、不当な請求を受けやすい傾向にあります。

以下の4品目以外についてはリサイクル料金がかかることはないため、請求されたとしても支払いは不要です。

  • 洗濯機および衣類乾燥機
  • テレビ(ブラウン管、液晶、プラズマ)
  • 冷蔵庫および冷凍庫
  • エアコン

ご自分が亡くなった後の家財処分をお願いするために結ぶ死後事務委任契約の受任者は、信頼できる方であれば誰を選んだとしても問題ありません。しかしながら受任者にかかる負担は大きなものであり、場合によってはご自分の相続人等とトラブルになることも考えられます。

知人や友人に軽い気持ちでお願いしてしまうと「こんなはずじゃなかった」と役目を放棄される可能性も否定できませんので、その点についても十分考慮したうえで検討することが重要です。

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