遺言書の有無を確認する
相続が発生した際にまず行うべきなのが、遺言書の有無の確認です。
相続において最も優先されるのは遺言書の内容であり、遺言書の有無によって必要となる相続手続きは異なります。それゆえ、被相続人の遺言書を探すことから始める必要があります。
生前に被相続人から遺言書を作成したことや保管場所について聞いていれば良いですが、そのようなケースばかりではないのが実情です。被相続人のご自宅や入居していた施設等の遺品整理をしている最中に発見できれば、御の字だといえるでしょう。
ここでは一般的な遺言方法として多く利用されている自筆証書遺言と公正証書遺言に絞って、遺言書の有無を確認する方法をお伝えいたします。
自筆証書遺言の有無を確認する方法
被相続人が自筆証書遺言で遺言書を作成していた場合、ご自宅や入居先の施設等に加え、法務局が保管場所になっていることが考えられます。
自筆証書遺言は法務局の保管制度によって原本および画像データを保管することが可能であり、遺言者(被相続人)は下記に挙げるいずれかの遺言書保管所を選択します。
- 遺言者の住所地
- 遺言者の本籍地
- 遺言者が所有する不動産の所在地
自筆証書遺言が遺言書保管所に保管されているかどうかを確認したい場合は、遺言書保管事実証明書の交付の請求を行います。この手続きができるのは相続人・受遺者・遺言者執行者、これらの方の親権者および成年後見人等の法定代理人のみであり、手続きは最寄りの遺言書保管所でも可能です。
保管されている遺言書の中身を確認したい場合には、さらに遺言書情報証明書の交付の請求を行う必要があります。
なお、遺言書保管所にある遺言書は相続人であっても返還は認められないため、原本の代わりに遺言書情報証明書を用いて各種相続手続きを行うことになります。
公正証書遺言の有無を確認する方法
被相続人が公正証書遺言で遺言書を作成していた場合は、ご自宅や入居先の施設等に原本の写しが保管されている可能性があります。原本の写しが発見された場合は、そのまま相続手続きを開始することが可能です。
原本の写しは発見できなかったものの、公正証書遺言で作成したかについて確認したいようであれば、公正証書遺言の検索システムを利用すると良いでしょう。
公正証書遺言は日本公証人連合会のデータベースによって管理されており、公証役場に照会を依頼することで有無を確認できます。
公正証書遺言の照会を依頼できるのは相続人等の利害関係人のみであり、最寄りの公証役場に被相続人が亡くなった事実とその方との利害関係を証明できる戸籍謄本、ご自身の身分証明書を持参します。
照会した結果、公正証書遺言が存在する場合には、遺言書の謄本を請求・発行してもらいましょう。
なお、公正証書遺言も遺言保管所で保管されていた自筆証書遺言同様、原本が相続人等に返還されることはありません。
このような方法を用いることで遺言書の有無を確認することはできますが、いずれの方法や自力で探したにも関わらず遺言書を発見できなかった場合には相続人全員で「遺産分割協議」を行うことになります。
遺産分割協議とは被相続人が所有していた財産の分割方法について決定するためのものであり、どんなに仲の良い相続人同士でも揉める可能性が高いといわれています。
相続が発生した際に遺言書が残されていないようであれば、相続の専門家である堺なかもずシニアの相談窓口にまずはご相談ください。
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